知床らうす海洋深層水の紹介
海洋深層水とは
海洋深層水とは「太陽が届かず、また表層の海水と混ざらない深さにある海水」をいいます。一般には200m以深の海水を海洋深層水と呼んでいます。
海は、地球表面積の約71%を占め、その平均の深さは3800mなので、200m以深を海洋深層水と見なせば、全海水量の約95%は深層水ということになります。
海洋深層水は、グリーンランド周辺で表層が外気などにより冷やされ、垂直に沈み込む海流が一度も大気に触れることなく、インド洋や北太平洋を巡り、表層域へ湧昇するもので、この海流を一周するのに2000年の歳月がかかるといわれています。
海洋深層水は、光合成、食物連鎖、沈降と湧昇など自然の物質循環系の中で再生され、循環する大型資源として、世界から注目されています。
一般的な特徴
1 低温安定性
表層水の水温は季節によって大幅に変動しますが、海洋深層水は太陽が届かないため、一年を通して低温で安定しています。
2 清浄性性
大腸菌や一般細菌による汚染がほとんど無く、微生物も表層水よりも少なく、清浄な水となっています。
3 富栄養性性
太陽光が届かない深さなので、光合成が行われず、表層水に比べて、植物の生長に必要な窒素・リン・ケイ酸などの無機栄養塩が多く含まれています。
全海水量の95%を占める深層水ですが、どこでもよいというわけではなく、深層の水が表層に向かって湧き上がる「湧昇城」がよいとされ、世界の漁業生産の約50%がこの「湧昇城」で生産されていると試算されています。
羅臼町の海が豊かであることの理由に、海洋深層水の湧昇があることが最近わかってきたのです。
取水施設
羅臼町では、平成11年12月に道内初の陸上取水型施設が誕生しました。
現在、平成19年度からの羅臼漁港での海洋深層水本格取水を実施しております。平成16年8月に羅臼漁港沖2,817m、水深350m地点まで取水管(鋼帯がい装ポリエチレン管、内径280mm)を敷設し、平成17~18年度で陸上施設整備をおこない、平成19年度より日量4,560tの海洋深層水を汲み上げています。この施設は、取水量の96%を水産業で利活用し、海洋深層水の「低温」と「清浄性」を取り入れた羅臼漁港での衛生管理型漁港を実現しています。
ロゴマークと利用商品
商標は、商標法により「文字、図形もしくは記号もしくはこれらの結合又はこれらとの色彩の結合」のことで、商品やサービスに使用されるブランドやサービスマークのことであり、登録されている商標が勝手に使われないように保護されているものであります。
羅臼町が取水している海洋深層水は、知床らうす深層水のブランド化と消費者への信頼を得る目的から平成13年度~平成14年度に2種類の図柄と各7区分の商品区分を登録し、知床らうす深層水使用商品にはロゴマーク等の表示を義務付け、類似商品との差別化を図ってきました。
知床らうす深層水に関する登録商標の使用料は、これまで簡易取水施設による供給のため無料としておりましたが、平成19年度より本格的に供給可能となったことから知床らうす深層水ブランドの確立、まがいもの流出の防止、登録商標の維持を目的として「知床らうす深層水登録商標の使用に関する条例」を制定し、平成20年4月1日より有料化いたしました。
- 知床らうす深層水登録商標の使用に関する条例 (PDF約76KB)
- 知床らうす深層水登録商標の使用に関する条例施行規則 PDF約60KB)
登録商標の使用料は1企業年間30,000円です。
「知床らうす深層水利活用協議会」会員については、減免措置がございますので規約をご参照のうえ、入会申込書を提出してください。
- 知床らうす深層水利活用協議会規約 (PDF約192KB)
本条例では定額制の使用料を定めておりますが、登録商標使用料の有料化に伴い深層水の利用を著しく阻害する要因となり得る場合は、条例第6条に規定する使用料の減免を適用いたします。
免除
①学校教育の一環として知床らうす深層水を利用する団体等の免除
教育の一環として知床らうす深層水を利用する学校等の実習により製造された商品に対して表示する登録商標は、知床らうす深層水登録商標の使用に関する条例第6条の規定により登録商標使用料は免除します。
減免
①知床らうす深層水利用商品の年間販売額が著しく少額である企業等の減額
知床らうす深層水を利用し生産している商品の中にあって、年間販売額が著しく少額である企業は、減免理由を記載した減免申請書(別紙様式1)を審査したうえで、知床らうす深層水登録商標の使用に関する条例第6条の規定により減免額を決定し、減免決定書(別紙様式2)を通知します。(ただし下限額は10,000円とします。)
■海洋深層水の可能性
羅臼町における海洋深層水の利用分野について、下記のように考えています。
現在、道内外における研究機関、企業との共同研究により、その可能性を探っており、その成果は道内の地域振興、産業振興に役立てていきたいと考えています。
①水産分野
魚類の飼類、魚類の種苗生産、水産加工洗浄処理水、蓄養水、魚類の鮮度保持、活魚輸送水海域の肥沃化
②食品分野
酒、清涼飲料水、塩、昆布醤油、その他加工食品
③農業分野
畜産用飲用水、土壌改良剤、乳製品添加塩、その他農業物加工
④健康産業分野
化粧水、入浴剤、温泉熱利用ケアハウス
⑤エネルギー
温泉熱利用温度差発電
このページの更新日:2024年2月14日